眼圧が上昇することにより視神経に異常が起こり、視力低下や視野(見える範囲)が狭くなる病気です。 緑内障の進行はゆっくりであるため自覚症状に乏しいことが多いですが、治療が遅れると失明に至ることもあります。
一度障害された視神経を回復させることはできませんが、早期に発見し治療を開始することで緑内障の進行を抑え、失明に至る危険性を回避できます。
治療には薬物療法や外科的治療(レーザー治療・手術)があります。 眼圧が上昇する原因によって主に原発緑内障、発達緑内障、続発緑内障に分けられ、原発緑内障や続発緑内障はさらに開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障に分けられます。
一方最近では、もともと眼圧が高くない(10~21mmHg)にも関わらず緑内障を発症している正常眼圧緑内障が日本人に多いこともわかってきました。
薬物療法や、レーザー治療でも眼圧が充分下がらないとき、あるいは眼圧が下がっていても視野の悪化が止められない場合は、眼圧を下げるため、眼の中を流れる「房水」の交通路を別に作る「線維柱帯切除術」を行います。 手術は局所麻酔で行います。
結膜と強膜を切開し、線維柱帯の一部と、癒着防止のため虹彩を一部切除します。 房水の流れる通路が塞がりにくくするため、傷口を治りにくくする薬(マイトマイシンC)を結膜と強膜に浸します。最後に、強膜と結膜を縫合します。 結膜の下に房水が貯まるようになり、この膨らみを濾過胞といいます。
参考資料:日本アルコン株式会社 図解「緑内障ガイド」より
近年国内でもMIGSといわれる低侵襲緑内障手術が登場し、早期のうちから治療を行うことが可能となりました。患者様の眼に負担の少ない手術となりますので、早期に発見した際は積極的に治療して現在の視神経、視野を守ることが期待できます。水晶体再建術併用眼内ドレーン手術で使用する眼内ドレーン(ステント)は長さ0.36mmの医療用チタン製で、体内に留置する非常に小さな医療機器です。
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