水晶体が混濁することで視力の低下をきたす病気です。加齢に伴う発生頻度が最も多く、70代の方の8割が罹患していると考えられ、誰もが発症する可能性のある眼の老化現象です。 近視や遠視、乱視などとは異なり、眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できないことが大きな特徴として挙げられます。
視界が全体的にかすむ、視力が低下する、光をまぶしく感じる、暗いときと明るいときで見え方が違う、などが代表的な症状です。
局所麻酔後、水晶体を包んでいる袋を切開し、濁った水晶体の中身を超音波で砕いて取り除きます。 水晶体の袋の中に眼内レンズを挿入して、手術は終了です。
当日は眼帯をつけて帰宅して頂き、翌朝に来院してから外します。(両眼同日手術の場合は、片眼のみ眼帯をつけるか、保護眼鏡になります。)
術後の合併症を予防するため、医師の指示通りに点眼してください。入浴は、翌日から首から下のみ可能です。1週間後より、普段通り洗顔、洗髪、化粧ができます。
眼を押したりこすったりしない、転ばない、ぶつけないことも重要です。また、眼の感覚が慣れるまで数日かかりますので、車の運転や仕事などを再開する時期については医師にご相談ください。
眼内レンズは大きく2つに分けて、単焦点と多焦点があります。(乱視矯正が可能なレンズもあります)
ピントが合う距離は1つです。選んだピント以外の距離を見るためには、眼鏡が必要になります。
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■ 3焦点レンズ(クラレオンパンオプティクス)
近方、中間距離、遠方の3点にピントが合うレンズです。従来の多焦点レンズに比べて、明暗の変化による瞳孔収縮の影響を受けにくく設計されています。若い頃のようにすべての距離にはっきりと焦点が合わせられるわけではありませんが、おおむねどの距離も見やすく、眼鏡をかける煩わしさを軽減でき、生活の質の向上が期待できます。
【メリットデメリット】 メリット:遠方・中間・近方がバランスよく自然な見え方。 デメリット:やや手もとが見えにくい。夜間のハローグレアがある。 自費診療 費用:片眼 ¥470,000(トーリック¥525,000) 選定療養 費用:片眼 ¥320,000(トーリック¥360,000)
※選定療養は別途手術費用(3割負担で約¥50,000)が発生します。詳しくはお問合せください。
■ 3焦点レンズ(テクニスシナジーオプティブルー)
連続焦点型多焦点レンズで、遠方から近方にかけて視力の落ち込みがほとんどなく、幅広くピントが合う多焦点レンズです。 EDOF(焦点深度拡張型)の特徴を併せ持つため、薄暮下においてもコントラスト感度が良好であり、昼夜問わず遠くから近くまではっきり見えるのが特徴です。 特に近方は手元(33cm)からピントが合うため、完全眼鏡フリーの生活が期待できます。
【メリットデメリット】 メリット:遠方から近方まで視力の落ち込みが少ない。近方は33cmまでピントが合い、眼鏡装用率が非常に低い。 デメリット:夜間のハローグレアがある。 自費診療 費用:片眼 ¥470,000(トーリック¥525,000) 選定療養 費用:片眼 ¥320,000(トーリック¥360,000)
■ 3焦点レンズ(ファインビジョンHP)
2011年に発売された世界初の回折型の3焦点レンズで、日本でも多くの方が使用されています。独自のFINEテクノロジーにより、遠方・中間・近方において連続的に良好な視力を提供し、特に近方は日本人の体型に適した35cmに焦点が合うように作られています。眼鏡依存度の軽減が期待でき、93%の方が眼鏡なしで生活できているとのデータがあります。
【メリットデメリット】 メリット:近くは、日本人に適した焦点(35cm)にピントが合う。眼鏡からの解放が期待できる。ハロー・グレアが少ないため、夜間の車の運転が快適。他の3焦点と比べ、手術費用が抑えられる。 デメリット:近視が強い人には使用できないことがある。 自費診療 費用:片眼 ¥430,000 選定療養 費用:片眼 ¥290,000
■ 3焦点レンズ(トライディフ)
回折プラットフォームを有したレンズで、遠方50%、中間20%、近方30%にバランスよくエネルギーを配分する親水性3焦点眼内レンズです。 プレミアムレースカット技術によって高い透明性を有しており、コストパフォーマンスに優れた眼内レンズです。
【メリットデメリット】 メリット:近視・乱視が強くても使用できる。 デメリット:ハローグレアが多少ある。 自費診療 費用:片眼 ¥470,000
■ 3焦点レンズ(Vivinex ジェメトリック)
【メリットデメリット】 メリット:日本製。遠方から近方までバランスよく見える。他の多焦点眼内レンズの近方が見やすい。 デメリット:ハローが若干出る。 自費診療 費用:片眼 ¥470,000(トーリック¥525,000) 選定療養 費用:片眼 ¥320,000(トーリック¥360,000)
■ 5焦点レンズ(インテンシティ)
明視域が広い 3焦点のレンズは「遠・中・近」3点に焦点が合いますが、5焦点は「遠・中・近に加えてその間にも焦点が合う(計5点)」ため、広い範囲がはっきりと見えます。
ハロー・グレアが少なく、コントラスト感度が良好 夜間の光に対する見え方の不具合が少なく、明暗の差がくっきりしています。(光の周りにリング状のもやがかかったように見える現象=ハロー、光を中心に筋状の光が出る現象=グレア)
遠方から近方まで視力の落ち込みが少ない 明るい場所でも暗い場所でも、「遠く」・「近く」とも良く見えます。
【メリットデメリット】 メリット:遠くから近方(133㎝/80㎝/60㎝/40㎝)まで中間距離の落ち込みなく見える。 デメリット:夜間のハローグレアがある。 自費診療 費用:片眼 ¥550,000(トーリック¥605,000)
■ EDOF:焦点拡張型レンズ(クラレオン・ビビティ)
遠方から中間距離にかけての見え方に優れ、ほとんどの場合で遠くの物やパソコンの画面などを眼鏡なしで見ることができます。まぶしさを感じるハローグレアが大幅に軽減され、夜間に車の運転をする方にも適したレンズです。
【メリットデメリット】 メリット:特に遠方視と中間視に優れている。コントラス感度の低下が少ない。ハローグレアが少ないため、夜間の運転が快適。 デメリット:近方は眼鏡が必要な可能性がある。 自費診療 費用:片眼 ¥525,000 選定療養 費用:片眼 ¥360,000 ※選定療養は別途手術費用(3割負担で約¥50,000)が発生します。詳しくはお問合せください。
■ EDOF:焦点拡張型レンズ(ミニウェル・レディ)
遠方から近方まで滑らかに連続的に見ることができる。 夜の光のまぶしさ、光の周辺に輪がかかる見え方が従来の多焦点眼内レンズよりかなり少ないのが特徴です。 自然でスムーズな見え方を実現し、夜間の運転が多い方に適したレンズです。
【メリットデメリット】 メリット:遠方から中間距離まで良好な明視域を保持。ハローグレア・コントラスト感度低下がない。 デメリット:近方視がやや弱い 自費診療 費用:片眼 ¥440,000(トーリック¥495,000)
<自由診療の場合> ※表示価格は全て消費税込にて記載しています。 ※手術費用には術後6ヶ月の定期検診代(診察、検査、薬)が含まれます。 ※予約金として、片眼¥150,000を先にお支払い頂きます。キャンセルの場合は返金不可となります。
<未承認医療機器> トライディフ(3焦点):Eye OL UK社(シンガポール) インテンシティ(5焦点):Hanita社(イスラエル) ミニウェル・レディ(EDOF):SIFI Medteck社(イタリア) ※インテンシティ、ミニウェル・レディに関しては国内未承認のため株式会社テクノピアを通じて個人輸入扱いとして入手、トライディフは国内未承認レンズのため株式会社アットワーキングを通して入手しております。
当院では以下の多焦点眼内レンズを採用しています。
費用について詳しくはスタッフまでお問い合わせ下さい。
白内障手術を受けた患者様に、手術前後の見え方の違いや、手術中の実体験、一生に一度の機会である眼内レンズ選択と、術後の快適な暮らしについて語っていただいているショートムービーが公開されています。
近年国内でもMIGSといわれる低侵襲緑内障手術が登場し、早期のうちから治療を行うことが可能となりました。患者様の眼に負担の少ない手術となりますので、早期に発見した際は積極的に治療して現在の視神経、視野を守ることが期待できます。水晶体再建術併用眼内ドレーン手術で使用する眼内ドレーン(ステント)は長さ0.36mmの医療用チタン製で、体内に留置する非常に小さな医療機器です。
●:診療 ○:土曜日午前は13:00まで受付 ―:土曜日午後は休診休診日:日曜、祝日